自分の強みを「タダでやってよ」という依頼とどう闘うか

自分の強みを「タダでやってよ」という依頼とどう闘うか

親しい間柄の人間や所属している組織などから自分が生業としている仕事や得意としているスキルを「タダでやってくれ」と言われることがあります。

コレ、頼む側は一切悪気がないことが多いのですが、
それ(タダでやれと言われたこと)がその人にとっての強みであればあるほど、頼まれる側はストレスを感じますし、疲弊します。

この記事では、こういう依頼をしてくる人間が世の中から1人でもなくなればいいなという思いを込めて、

  • 自分がこういう依頼を不快に思う理由
  • をいくつか挙げた上で、

  • こういう依頼が来た場合の対処法

について、私なりの考えをまとめてみました。

同業者からの「タダでやってよ」が意外と多い我が業界

私の場合、無料相談をお受けしていないこともあって、
生業(税理士業)に関して「タダでやって」と言われることはほぼありません。

それでも、

  • 税理士試験予備校の元講師なので人前で喋り慣れている
  • ブログやホームページをWordPressで自作しているのでその辺に(比較的)詳しい

という人間なので、主に同業者方面から

適当でいいから人前で喋ってよ!タダやけど。
時間は…そうやな、1時間半ぐらい!パワーポイントを使ってわかりやすく!

ホームページをリニューアルしたいんやけど助けてくんない?タダやけど。
WordPressを入れてスマホ対応にして、Google検索にも強いページにしたいねん。

などと言われたりします。

びとう

「自分にはムリやけどお前やったらカンタンやろ?」
みたいな軽〜いノリで、実際に有料で提供しているレベルの作業をタダで頼んでくるんですよね(^^;

 
先日も、とある同業者から、
外堀を完全に埋められた(=自分が断ったら誰もやる人がいない)状態で手間のかかる喋る仕事(同業者向け勉強会の発表担当)をタダで押し付けられる、なんてことがありました。
(おかげで正月休みが完全に潰れちゃいました(泣))

こういう依頼が来ると頼まれる側は少なからず消耗・疲弊するので、本当にやめて欲しいんですよね。
以下、なぜ自分がそう感じてしまうのか。その理由を5つほど挙げてみます。

私が「タダでやってよ」を不快に思う理由

1.費やす時間・スキル・知識etc.へのリスペクトに欠けるから

1つ目は「あなた、こっちへのリスペクトが無さすぎでしょ」という理由です(^^;

タダで頼む側は
「自分にはムリやからやってもらお!」
「他にできる人がいないんですよ〜」
てな軽いノリで頼んでくることが多いんですが、よく考えて欲しいんです。>頼む人

それって自分にはできないことなんですよね?
もし自分がやるとすればとてつもない時間と手間がかかるし、質も伴わないから頼むんですよね?

そんなスキルをタダで頼むって、おかしくないですか??

頼まれた側は、頼んだ側が満足するモノを提供するために、
他の仕事や自分の時間を削ってでもそれに対して時間をかけます。(というか、かけざるを得ない(後述))
また、そうしたスキルや知識を習得するためにこれまで膨大な時間や費用をかけ、経験を積んできています。

びとう

さらに、それを生業として副業化させている場合もありますよね。
(私も、少額とはいえ報酬をいただいて定期的に喋る仕事をしていますし)

それをタダでやってくれと頼むということは、
自分にはできないスキルを持っている人やそのスキルへの敬意を欠いているのと同義であることを自覚すべきでしょう。

2.お金を払っていただいているお客さんに申し訳が立たないから

2つ目は「ちゃんとお金を払ってくれているお客さんに申し訳が立たない」という理由です。

前述の私のケースに当てはめると、
私は個人事業主として税理士事務所を営んでいるので、お金を払って私に仕事を依頼してくれるお客さんももちろんいます。
そうした仕事が自分の中でちょっと遅れ気味だったので、去年〜今年の年末年始はそれらを進める予定でいました。
しかし実際は、それらを後回しにして「タダでやってくれ」という仕事を優先せざるを得ませんでした。(そしてそれだけで正月休みが終わってしまった)

また、私の場合、決して多くはないものの、お金を払って喋る仕事を頼んでいただける方もそれなりにいます。

  • タダで頼まれた仕事のせいで有料で頼まれた仕事が後回しになっている
  • お金を払ってくれるお客さんがいる仕事をタダで提供している

個人事業主やフリーランスに対してタダで仕事を依頼しようとする人は、
相手にこのような状況を強いていることを強く自覚して欲しいなぁ、と思うわけです。

3.カンタンなわけないのに「カンタンでしょ」と思っているから

また、頼む側がよく使う言葉として

自分にはムリやけどお前やったらカンタンやろ?

というのがありますが、これも大きな勘違いです。

確かに、人前で喋り慣れている人間がやれば

  • 「クオリティ高いね」と言われる講義レジュメが作れるかもしれない。
  • そんな講義が提供できるかもしれない。

ただ、それは単にその人が人前で喋る経験を過去にそれだけ積んできているからです。

これまでその人が
「こういうレジュメを作れば良い」という経験を人以上にしてきて、
人を満足させる講義レベルを試行錯誤してきたからこそできるのであって。

提供するモノのクオリティが高いからといって、
それを人より時間をかけず、器用にサッとやっている、なんてことは絶対に無いのです。

むしろ、そういうレベルのモノを提供するために他人以上に時間をかけています。
私自身も、不器用な人間で1つのことをやり遂げるまでに時間がかかる、まさにそんなタイプですし。

びとう

カンタンにやってるように見えるかもしれないけど、それはあくまでも「そう見えるだけ」。
慣れているからこそ準備に時間もかかるものなんです。
(だから、「サッとできるでしょ?」なんて軽いノリで頼まれると「それやんのにどんだけ時間かかると思ってんねん?」とイラッときます)

4.タダだからといって手を抜くことはできないから

なんて話をしていると、

いやいや、そんなん気にせんでホンマテキトーにやってくれたらいいから!

とかいう人もいるんですが、それはムリなんで。
いくらタダでも、自分が生業としていることや強みとしていることを適当になんてできますか?

いくら頼む側&頼まれる側の間で「これは適当でいい」との合意があったとしても、
周りの人(例:勉強会に参加する人)はそんな合意の存在なんて全く知らないわけです。

貴重な時間を使って参加してくれている人を相手に自分が生業としていることや強みとしてることを適当にやるなんて、
いくら無報酬でも、そんな怖くて無責任なことは自分にはできません(^^;

5.総じて頼み方が雑=こっちの作業量が増えるから

そして、「タダでやってよ」と言ってくる人は総じて頼み方も雑です。
「こんな感じでお願い!(丸投げっ)」
みたいな。

私が頼む側だとしたら、タダでお願いするからこそ相手の負担をなるべく軽くするように心掛けるものですが…。

今回のケースでも、
勉強会に対する予備知識が全く無い私に対して具体的な資料の提示があるわけでもなく、
ざっくりざっくりした依頼で
「あとはお願い!センス良く仕上げて!(アンタならできるよね?)」
というノリで放り投げてくるという…。

確かにできるかもしれませんが(実際やったし)
そんな依頼に対応するためにこちらがどれだけの労力を払う必要があるのかを考えて投げて欲しいのです。
そういう配慮が無い依頼はイライラします。

「タダでは一切やらない」わけではないです

もちろん、こう言っている私も「タダでは絶対に受けない!」というわけではありません。
これまでタダで人前で喋った経験はもちろんありますし、何なら税理士業に絡むサービスを提供したこともあります。

ただ、それは

  • 「この人のお願いなら」と思える人からの依頼である
    (依頼者と信頼関係がある、リスペクトを持った依頼であるetc.)
  • それをやることによって得られるもの(勉強になる、経験になる、実績になるetc.)がある

といった場合に限定されます。(私の場合は)
上のどちらかでも満たしてくれればいいんですが、そうじゃない場合は…どうしてもストレスが溜まってしまいます。

「タダでやってよ問題」についての私的まとめ

以上、ここまでは私が「タダでやってよ」という依頼を不快に思う理由について、私自身の体験談を交えつつ書いてみました。

まとめとして、5つの理由をもう1度リストアップしておきます。(各項目へのリンク付きです)

ひとことで言うと、頼む側の気持ちになって考えてみてよね、って感じでしょうか(^^;
頼まれる側やその人が持つスキルへのリスペクトに欠いた依頼は受ける必要はないというのが私個人の意見です。

「タダでやってよ」への対処法は「距離を置く・離れる」しかない

とはいえ、こういうところで正論(ですよね?)をぶっているだけでは自分が置かれている状況は変わりません。
そもそも、「タダでやってよ」と言ってくる人はそう言うことに悪気がない・相手に対して失礼であるという自覚がないからこそ言ってくるわけで。

そうなると、対処法は必然的に限られてきます。
相手が変わらない以上、自分が変わるしかないのです。

今回の私の場合、こうした依頼をしてくる集団から離れる決断をしました。
それで不利益を被る(某アイドル事務所みたいに業界内で干されるとか(笑))のであれば、自分のレベルも所詮その程度だったということです。

もちろん、サラリーマンが職場からお願いされたのであれば、給与に対する奉仕の一環としてやらなければいけないでしょう。
ただ、そうじゃない場面ではそんな配慮は一切不要です。

「この人のためなら」「得るものがあるし」と自分が思えるのであればやればいいし、そうでないなら遠慮なく断っていい。
そして、断れない・断っても効果がないのであれば、そんな関係は断てばいいんです。

私も個人事業主として活動している以上、私を信頼し、お金を払って仕事を任せてくれるお客さんがいます。
そんな方々を差し置いて「タダでやってよ」という声に応えることは今の私にはできない
ですね。
人間に与えられた時間は有限ですから、その優先順位は常に意識しておきたいところです。

というわけで、この記事を見た個人事業主&フリーランスあなたも、これからは

  • 無神経に「タダでやってよ」とは言わない
  • 無神経な「タダでやってよ」は受けない

で行きましょう(^^


AUTHORこのブログを書いている人

京都市左京区下鴨で開業している税理士です。税理士試験受験予備校の元講師。相続税法が担当科目だったことから、税理士としても相続・贈与を得意分野としています。個人・法人の経理はクラウド会計に特化&Mac対応可(自身もMacユーザー)。【好きなコトモノ】写真・カメラ(Nikon D500) / Apple製品 / 競走馬の写真を撮る / DEEN / イチロー / 地元京都の四季の風景 / Ingress(RES) 【詳しいプロフィールはこちら】
京都市左京区の「尾藤武英税理士事務所」
相続税に強く、クラウド会計に特化した京都市左京区の税理士事務所です。
「専門用語をなるべく省いたわかりやすい説明」と「税理士が直接お客様に全てのサービスを提供すること」を大切にしています。

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