税理士試験に「思慮深さ」は不要【解答マシーンになれ】

税理士試験は「マシーンになれ」

税理士試験では
「普段から成績の良い人がなかなか受からない」
という現象が起きがちです。

昨日も、いつも通っているお店の人からこんな質問を受けました。

友達が税理士試験になかなか受からないんですけど、なんでなんですかね?
良い大学を出てて、いかにも勉強ができそうな奴なのに…。

 
その人に会ったことがないのでなんとも言えませんが、
ひょっとしたら、その人がなかなか受からない原因は「勉強ができる」ところにあるのかもしれません。

税理士試験に必要以上の「思慮深さ」は必要ない

私自身も「税理士試験」というものを嫌ほど体験しましたし(8回受けましたから(^^;)
元O原の講師としてもいろんな方を見てきたのでわかるのですが、
税理士試験って、頭の良さはあまり問われない試験なんですよね。

もちろん、暗記ができる、問題文に何が書いてあるか理解できるなど、最低限の「頭の良さ」は必要です。
ただ、それはちゃんと勉強していれば自然と身についてくるものであり、
それ以上の「頭の良さ」、つまり、真の理解力が問われる試験ではありません。

それよりも、どっちかといえば、

  • 「○○について説明しなさい」→○○について覚えた理論をひたすら書く
  • 「○○について計算しなさい」→教えられた・覚えた計算方法でひたすら解答する

こういったことを2時間の中でどれだけこなせるかが問われる試験じゃないですか。

そんな試験で強いのは「ひたすら解答マシーンに徹することができる人」であって、
そこに「思慮深い」という意味での「頭の良さ」は必要ではないのです。

税理士実務では間違いなく必要な能力だけど…

「思慮深い」とはどんな意味の言葉なのか、検索で調べてみました。

思慮深いとは、思慮が深い、つまり物事について深くじっくりと考えるさまを意味します。

冷静に物事をとらえて深く考えたり検討したりする様子を表現する言葉です。

つまり思慮深いとは、見えている表面的な部分だけに注目せず、物事の真の意味や内容について分析し、正しい判断をするための材料とする様子と理解しておくといいでしょう。

引用元:思慮深いの意味とは?思慮深い人の8の特徴&思考が深くなる方法を大公開! | Smartlog

勉強がよくできる人は、基本的に、思慮深く物事を考える能力に長けています。
過去の受験生活もそうやって乗り越えてきたハズですし、
「思慮深さ」というのは税理士実務の世界においても間違いなく必要とされる能力です。

それがわかっているからこそ、
思慮深い人は税理士試験にも同じアプローチで挑んでしまいがちです。

ただ、残念なことに、税理士試験ではその能力は足かせとなるのです(^^;

びとう

思慮深さを求められる資格なのに、それを捨てなければその資格が取れない、というのは矛盾している話ではあるのですが…。

思慮深さが現れた答案は税理士試験の配点傾向にマッチしない

なぜ「思慮深さ」が税理士試験において足かせとなるのか。
それは、思慮深い人は配点が来ない箇所にムダに時間と労力を割いてしまいがちだからです。

たとえば、「〇〇について答えなさい」という問題が出されたとき。

マシーンと化している人は

マシーンな人

学校の教材にコレとコレを答えろと書いてあったからこの2つを解答しよう。

と考えます。

一方、思慮深い人は

思慮深い人

学校の教材にはコレとコレを答えろと書いてあるけど、テキストに載ってない部分でコレとコレも当てはまると思うねんな。
せやし、この4つを解答しよう。(ここまで知ってる俺凄いやろ!)

と考えてしまいます。

その結果、思慮深い人が作る答案はAランク項目(基本論点)、Bランク項目(応用論点)、Cランク項目(超応用&未学習論点)をまんべんなく押さえたものとなります。
思慮深い人が作る答案

一方、マシーンな人が解答できたのはAランクばかりで、Cランクに至っては1つも解答できていません。
マシーンな人が作る答案

単純に解答した数だけで比較すると、
全体の50%を解答できている思慮深い人の方が45%しか解答できていないマシーンな人より有利に思えるかもしれません。

しかし。
税理士試験ではAランク項目に重点的に配点が振られるため、Aランク項目の解答濃度の差が両者に大きな違いを生んでしまうのです!

配点全体の7割を占めるAランク項目で35点しか得点できなかった思慮深い人は、合計49点しか獲れず、合格点に遠く及ばない一方…、
思慮深い人の得点

マシーンな人はAランク項目で多くの点数を稼ぎ、合計71点と、合格点をはるかに超える点数を獲ることに成功しました!
マシーンな人の得点

びとう

これが「普段から成績の良い人がなかなか受からない」というカラクリの正体です。
上の配点例は極端かもしれませんが、本試験でも、未学習項目には基本的に配点は来ないと考えておいた方がいいですよ。

思慮深い人が合格するために必要なこと

上のような状態にならないために、思慮深い人が心がけるべきこととは何でしょうか?

問題が聞いていることに素直に答える!

とにかく言えるのは、問題が聞いていることに素直に答えるということです。

「普段の成績はいいのになかなか試験に受からない」という人は「試験に合わせよう」という努力が足りない可能性が高いです。

「自分はこう答えたい!」ではなく、
「問題が何を答えて欲しいと思っているのか」=出題意図を素直に読み取ることをまずは意識しましょう。

「大多数の人はどう答えるか」を意識する!

また、たとえ出題意図が読み取れたとしても、そこでまた自分を出してしまっては意味がありません。

「自分はこう答えたい!」
「『自分はわかってる』ということを示したい!」
という欲はここでも消して、
「こう聞かれたら大多数の人はどう答えるかな」=Aランク項目はどれなのかを必ず意識しましょう。

1つ上の章でも紹介したように、本試験の配点は学校の答練のソレとは根本的に違います。
実質相対試験である税理士試験で重要なのは、誰もが獲れる基本論点(=Aランク項目)を絶対に落とさないこと。

確かに、Bランク項目(応用論点)が合否の分かれ目となる場合もあります。
ただ、それもAランク項目がカンペキに獲れていることが前提であり、
Aランク項目がちゃんと取れていなければ、いくらBやCを獲っても合格なんてたどり着けません。

びとう

あくまでも「相手が投げてきた球を素直に打ち返す」ことだけを意識すべきです。
「ホームランが出やすいバレルゾーンを意識して、ちょっとボールの下を叩いてみよかな(時代はフライボール革命やからね)」
なんてイラんことを考える必要はありません!
(って、マニアックな野球ネタですいません(^^;)

税理士試験に「思慮深さ」は不要のまとめ

以上、この記事では、問題を解くときに考え過ぎてしまう人へのメッセージとして、

  • 税理士試験に必要以上の「思慮深さ」は不要
  • 大切なのは「自分を出すこと」ではなく「誰もが獲れる論点を絶対に落とさないこと」

の2点をお伝えしてみました。

2020年の税理士試験まであと約1週間ですが、
残りの期間の復習では「誰もが解けそうなところをしっかりと理解できているか」を重視してください。
また、本試験では「Aランク項目のみをひたすら解く解答マシーン」と化しましょう。

ちょっとクセのあるネタではありましたが、
今年の本試験を受験される方の参考に少しでもなれば幸いです!

びとう

本試験まであと1週間、頑張ってください!!

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京都市左京区下鴨で開業している税理士です。 過去に税理士試験の予備校で相続税を教えていた経験から、相続税が専門分野。 税理士には珍しいMacユーザーで、事業者様の経理や申告はクラウド会計ソフトに特化しています。 ホームページを触るのが好きで、このブログと事務所のホームページは全て自作で運営中です。 【好きなコトモノ】写真・カメラ(Nikon D500) / Apple製品 / 競走馬応援 / DEEN / イチロー / 地元京都の四季の風景 / Ingress(RES) 【詳しいプロフィールはこちら】