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「途中で詰まったときにどうするか」よりも「詰まらないようにする」ことを考える

「途中で詰まったときにどうするか」よりも「詰まらないようにする」ことを考える

今日は地元の税理士の組合で毎週担当している所得税実務講座の講義日でした。

講義が終わった後、講義を受けて頂いた方からこんな質問を受けました。

私も人前で喋ることがあって、そんなときに途中で詰まってしまうことが多いんですが、もし詰まってしまった場合どう対処されていますか?

あ、所得税の質問じゃないんですね…(笑

そう思いながらもお答えしたのは、
「詰まってしまったらもはや手遅れなので、詰まってしまわないように事前の準備を完璧にするように心掛けています。」
ということです。

絶対に味わいたくないからこそ絶対に引き起こさない

上の返答、
「そんなの答えになってねーよ!」
と怒られるかもしれませんが、だって、詰まってしまったらもうどうしようもないですやん…。

私も専門学校で講師として働き始めた直後はそんな静寂をよく作ってしまっていました。
次の言葉が出てこないときに教室に流れる静けさが醸し出す空気の重さといったら…。

エアコンが「ブーン」と動く音すら耳に入ってくるぐらいの圧倒的な静寂感。
その静寂をごまかすために無駄に発せられる「えー」というつなぎの言葉。

今こうして書いているだけでも冷や汗が出てきます。
あんなのもう絶対に体験したくないです(^^;

なので、講義の準備をするにあたっては、知識を仕入れることはもちろんですが、それ以上に
「いかに途中で詰まらずに喋り切れるか」
もとても重視していました。

「途中で詰まってしまう=もはや手遅れな状態」だけは絶対に引き起こさないように。

「書き出す」ことで得られる効果

そのために、私が事前準備の段階で今も変わらずやっているのは、
「講義の中で喋る内容をひととおり書き出す」
ことです。

喋る言葉、喋る順番、板書することなど全てのことを講義で使うテキストなどに書き出します。

といっても、書き出し方はあきれるぐらいに適当です。
↓この写真は今日の講義で喋った部分の私のテキストですが…。
カンペが書き込まれたテキスト

汚すぎて読めませんよね(^^;
でも、これはある程度読めればいいんです。

なぜかというと、私がこうして書き出すことの一番の目的は
「書いたものを見て喋る」
ことではなくて、
「ひととおり書き出すことで頭の中を一旦整理しつつ、喋る内容を頭の中に叩き込む」
ことにあるから
です。

喋る内容が一旦頭の中に入ってしまえば、あとはそれを思い出すだけなので、ここに書いてある字は思い出すための手助けさえしてくれればいいんですよね。

人間は暗記をする際は五感をフル活用すると良いと言われます。
私のこのやり方も、書き出す、しかも声に出して書くことで、目と手と口と耳をフル回転させています。
(本来の五感とはちょっと違いますが)

「喋るときのカンペにするため」ではなく、「頭の中を整理して暗記するため」に書く。
これ、私にとってはメチャクチャ有効です。
(税理士試験の理論暗記でも音読しながら書き出してみるのはオススメです!)

しっかりとしたレールを敷く=事前の準備がとても大事!

喋りながら途中で詰まってしまうときって、
「あれ。予定していなかったもの(準備していないもの)が出てきた」
とか、
「あ、さっきのは言い間違えたわ」
なんてことがパッと頭に浮かんでくるのが原因となっている場合が多くないですか?

喋りながら
「次はここ、その次はここ、さらにその次はここ!」
というのが自分の頭の中に自然と湧いてくるような状態が理想ですよね。

そんな状態に持っていければ途中で詰まることもほとんどなくなりますし、
そのためにも大事なのは、事前準備の段階でガッチリとレールを敷いておくことです。

もちろん、実際に喋ってみると事前に敷いていたレールどおりに進まないことの方が多いです。
というか、敷いたレールどおりに完璧にやろうとしすぎると、
ちょっとレールから外れただけですぐに頭の中が真っ白になってしまうので、そこはむしろ気にしないことです。

不思議なことに、たとえ途中で脱線しても、敷いたレールさえしっかりしていれば大事故になることはほとんどありません。
なんて言うんでしょう…自分の背中とレールが常にゴムで繋がれていて、ちょっと飛び出して脱線してもすぐに「バイ〜〜ン」って引き戻されちゃうイメージ?(笑

時間はメチャクチャかかりますが、喋る仕事の9割は事前準備で決まると思っています。
詰まってしまったときのことを考えるのではなくて、詰まってしまわないことを考えましょう。


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 京都の税理士・尾藤武英税理士事務所
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